「そして夜は甦る」 原リョウ


沢崎シリーズの第1段であり、原リョウ氏の
処女作でもある。

本シリーズの魅力は、沢崎の魅力であると
言えると思う。

不器用な生き方を貫き通す男の魅力は、
3年殺しのようにじわじわと効いてくる。

私のなかでは、完全にトニー・レオンと
一体化しているのだが、今日は新宿署の
錦織警部についてである。


作中では、もと西鉄の野武士こと豊田
泰光にそっくりである、という記述が
ある。

しかし、私は少なからず豊田氏を知っている
私としては賛成しかねる。神宮球場で
アルバイトをしている時、解説者として
来場されたときのことである。記者や
解説者、報道関係者は入場するための
バッチを配布されており、関係者入り口
でバッチを見せて入場するのだが、
氏は、「自分は顔パスだから」みたいな
のりで、同伴のお姉ちゃんにバッチを
つけさせて入場されることが度々あった。

なので、解説者としては尊敬するが、
私のなかではただのエロオヤジである。

以上のような理由から、私は錦織警部
には、塩見三省を推したい。

そして、ぜひともNHKでの映像化を希望
する。いまでこそしょうもないドラマ
ばかり作っているが、実はドラマを
作らせたらNHKが一番上手いと思う。
しかも、本作のような骨太なハードボイルド
はNHKの最も得意とするところである。


関係ないが、本作は何度か映像化の打診
を受けているが、作者が断っている。
映像化を望まないわけではないらしいが、
ここらへんのお話はエッセイ集「ミステリ・
オーソ」に載っていたような気がする。



以前、ハジジが「ミステリ・オーソ」は
文庫化されていない、と言っていたが、
何時のまにかされていたのですね。。

カテゴリー: メイ->書籍 パーマリンク

「そして夜は甦る」 原リョウ への1件のコメント

  1. はじじ のコメント:

    いつのまに!?
    まぁ、文庫を買い直す事は無いけど。

    “夜”は、ヨルではなくヨと読むそうな。
    少しトリビアちっくに。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です